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初動を素早くする『抜重』トレーニング - Unweighting Fall –

抜重が使える利点

「身体操作メリット」と「対人的メリット」

動き出しで抜重が使えるようになると、体重移動による予備動作が必要なくなり、「抜重と同時に地面を蹴る」この1動作で初動を済ませることができるようになります。(身体操作的メリット)

また左右に大きく動くものは視覚的に動きが捉えやすいですが、下方へ落ちるような動きは視覚的に捉えにくく、相手からするとその場からいなくなる(消える)ような動きに感じられます。(対人的メリット)

このような理由から、抜重が使えると、

動き出しが読まれにくく、素早い動きが可能となる

のです。

最速降下曲線による「物理学的メリット」

抜重には、物理学的メリットも存在します。

それが サイクロイド曲線 = 最速降下曲線 です。

サイクロイド曲線は、直線上を円が転がるときに、円のある一点が描く曲線です。(中略)この坂道の特徴は、ある位置から別の位置(最初よりは低い位置)まで、もっとも短時間で行くことができるということです。ただし、止まった状態から重力で引かれて落ちていく場合という条件がつきます。 

 ある2地点を結ぶ坂道は直線や曲線を何通りも考えることができますが、それらの中で最も早く到達できるのが、サイクロイド曲線を上下逆さまにしたものです。この曲線のことを、最速降下曲線と呼びます。

名古屋市科学館:物理現象に見る数学

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Brachistochrone.gif

サイクロイド曲線(最速降下曲線)による動きの力源は『重心落下』です。抜重も動き始めは脱力による落下運動が主体であり、落下が進むと同時に踏ん張りが強まり、地面を蹴るエネルギーに変換されていきます。抜重による初動は、最速降下曲線と非常に近い重心移動を行うため、物理学的にも最も効率よく目的地に到達できる動きであるとも言えるのです。

SSCによる「筋機能的メリット」

SSCとは、Stretch Shortening Cycleの略であり、日本語ではそのまま「伸長-短縮サイクル」と訳されます。

筋肉が急激に引き伸ばされた際に伸張反射による筋収縮が起こり、この際に発生した弾性エネルギーを腱に蓄え、動作時にエネルギーを放出することで爆発的なエネルギーを放出する筋機能のことを言います。

ざっくり言えば、「反動を利用すると大きな力が生み出せる」ということです。

反動とは、野球のバッティングの際に打つ方向と逆に身体をひねる動作や、上へ高くジャンプする前に深くしゃがみ込む動作のことですね。

抜重を利用しない初動の場合、ステップする進行方向と逆方向への重心移動が反動動作となり、アキレス腱を中心に脚全体の筋肉が引き伸ばされることが推進力を生み出す原動力になっているのですが、この動きは「動作が遅れる」「動きが読まれる」というデメリットがあるのでした。

抜重を利用した場合、瞬間的に落下する動作がアキレス腱を中心とした脚全体の筋肉を引き伸ばすきっかけとなり、左右への重心移動を行わなくても反動動作と同じような効果を得られるのです。

上記のような、身体操作的・対人的・物理的・筋機能的にメリットが得られ、初動の素早さがアップする『抜重』を使いこなすための基礎トレーニングをご紹介します。

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