SNSをはじめYoutubeやその他インターネット上の様々なところでトレーニング動画やその方法論が気軽に目につくような時代になりました。このブログもそのうちの一つです。
しかしその多くが「これだけやっておけばOK」など視聴数稼ぎのキャッチーなものが非常に多くあり、また浅い理解の上での解説ばかりで、結果的に目的地に着実に到達出来るようなトレーニング方法に出会えていないのではないでしょうか?
身体操作性を高めていくためのトレーニングを行う上で、これさえやっておけばいいと言うものは基本的にはありません。様々な状況に応じて最適な動作を無意識に引き出すためには、多種多様な動きのパターンを身につけておく必要があるからです。
また、トレーニングを通して動きを身につけていく過程で、身につけていくべき『順序』『流れ』と言うものがあります。今回の記事では『最速の初動ステップ』を身につけるためにどのような流れで、どのようなトレーニングに取り組めばよいのかの一つの例を提示していきたいと思います。

今回紹介するものが全てではなく、その人の身体操作レベルに応じて別に必要なもの、逆にすでに身についていて必要ないものもある場合があります。しかし今回紹介する能力が身についていないと『最速の初動ステップ』は出来るようにならないと言う認識で読め進めてみてください。
記事の最後に動画も載せているので、記事を理解しながら動画の動きに込められた意図も考えてみてくださいね。
①次の動作にすぐ移れるランジ動作を身につけよ
ランジとは大きく一歩踏み込む動作のことをいいます。このランジがうまく行えないと次の動作に移るためにステップしているはずのものが逆に動きにブレーキをかけてしまい、動作が遅く遅れる最大の原因となります。
まずはしっかりと股関節を扱いこなせるように、腸腰筋・ハムストリングスを利かせたランジができるようになりましょう。
②腹筋と脇を利かせて、上半身を協力させよ
股関節をうまく使いこなしたランジが出来るようになれば、次は踏み込みと同時に上半身も上手く扱えるようになりましょう。
上半身が上手く扱えていない場合というのは、下半身に対して上半身が後方に残るような動きをしている場合です。下半身の上にしっかりと上半身が乗り、またその上半身が次への動作への繋がりを作り上げる協力者となるような動きが自然と引き出せるような状態を目指しましょう。『脇』『肘』が重要なポイントとなります。
③抜重からスタートせよ
最速の初動を生み出す力源は、動作者自身の身体が持っている『位置エネルギー』です。この位置エネルギーを身体が落下する運動エネルギーに即座に変換し(※さらに重力加速度も追加される)、その運動エネルギーをさらに筋肉・腱の弾性エネルギーに変換することで身体運動としてコントロール可能なエネルギーを生み出します。このようなことが一瞬のうちにして遂行可能となるための身体操作が『抜重』なのです。