『脱力』が動きのスピードを速くする

動きを速くしようと考えたときに、「いかに素早く筋肉に力を入れるか」という視点ばかりでトレーニングに取り組んでいませんか?

力を入れるトレーニングばかりを行っていると、いつしか筋肉が凝り固まりすぎて逆にスピードが落ちるという状況にも陥りかねません。

もちろん筋肉の収縮スピードを高めるトレーニングは重要なのですが、それと同時に脱力するトレーニングも同様に非常に重要なのです。

動きのスピードと同時に瞬発力を高めるアジリティトレーニングの効率を高めるためにも『瞬間的な脱力』は必須の能力です。

では「ただ単に力を抜いていればいいのか?」というとそうでもないのが脱力の難しいところ。

今回の記事では脱力がなぜ重要なのか、『筋肉の性質』『素早い動きの特性』から紐解きながら、脱力を身につけるための考え方を学んでみましょう。

脱力ができていない筋肉とは?

脱力ができていないということは、常に筋肉が収縮状態、緊張状態にあるということです。

例えば筋肉を触れてみたときに、力を入れていないにも関わらず固くなっている状態は「収縮(緊張)状態」にあります。つまり、本人の感覚として力は抜けているかもしれないけれども、実際には抜けていないということです。これは肩コリなども同様です。

筋肉に力を入れていないときには「ふにゃふにゃ」に柔らかくなっていれば、しっかりと脱力できていると考えてOKです。触れて硬い筋肉は鍛え上げられた筋肉であったとしても、動きに適した筋肉の状態ではないのです。怪我にも繋がりやすいので要注意です。

※実際には筋膜(Fascia)の癒着も関係しています。そのため脱力トレーニングだけでなく、Fasciaに対するアプローチも並行して取り組むのが理想です。

力を入れっぱなしの筋肉は弱く、遅い

力がすでに入った状態からさらに力を入れなくてはいけないという状況は、程度の差はあれ筋肉が縮む余裕の少ないところを無理矢理縮めさせようとしていることと同様です。力を入れている感覚(力感)だけは強いのに実際に発揮できる力が弱く、筋肉への負荷も大きくなります

また筋肉が伸びようとするときには、すでに力が入ってしまっている分、筋肉が伸びにくく動作を阻害する要因となってしまいます。

このような状態では筋肉の伸縮効率が非常に悪いのは明らかです。

筋肉そのものが持ちうる能力を余さず発揮するためには、次の動作に必要な筋収縮に適した準備状態(脱力)から最大限収縮させた状態までの全範囲を使いこなす必要があります。

動きの切り替えに脱力が欠かせない

例えば、「A」という動作から「B」という動作に移行しようとしている場面を考えてみましょう。

AからBの動きへ素早く切り替えるためには、Aの動きに生じた筋収縮を動作完了後すぐに解除し、Bの動きに最適化された状態に切り替えなくてはならなりません

Aの動きで利用した筋収縮がBの動きでも続いていると、Bの動きを阻害する要因となり結果的に動きそのものが遅いだけでなく、切り替えも遅い状態となってしまうからです。

このような切り替えの場面で「ぎゅーっ」という感覚で力が入ったような動き、間延びするような動きは『力を長く入れすぎ』です。

素早く、スムーズに動きを切り替えるためには、適切なタイミングでの筋収縮と脱力のバランスを保つことが必要であり、これができて初めて効率的な動作につながるのです。

但し、この場合「A」も「B」もそれぞれ単独の動きにおいても筋収縮と脱力が最適化されていなければ、脱力した状態で切り替えることは非常に困難です。この『必要な筋収縮と不必要な筋の脱力』を作り上げるために必要なのは動作の中での『軸感』ですね。

収縮⇆脱力を素早く切り替えよ

筋肉を収縮させるときに「〇〇の筋肉を使う」と考えると、どうしても力感を生じさせてしまいがちですが、この力感が生じている段階ですでに収縮させ過ぎている、もしくは収縮時間が長すぎます

速く動くためには、
「脱力状態からいかに素早く収縮状態に移行できるか?」
そして、
「収縮状態からいかに素早く脱力状態に戻せるか?」
この収縮と脱力の絶え間ない往復が不可欠です。

力感を全く感じないように繰り返し反復して素早く動く、感覚的な癖づけをしていきましょう。

いかに「楽に」「素早く」動けるか

ただただ速く動こうとすれば速く動けるようになるわけではなく、そこに『軸感』『脱力』、そして『脱力⇆収縮の往復』を伴わせましょう。

そうすれば自然と素早い動きできるようになっているはずですよ。

THE コツ™️TRAINING でもそのような要素の獲得に向けたトレーニングをご紹介していきますのでお見逃しなく!

THE コツ™️ TRAINING
堤 和也

>あなたに必要なトレーニングを今ここに。

あなたに必要なトレーニングを今ここに。

THE コツ™ TRAININGのカテゴリーにご希望のトレーニングがない場合、リクエストを受け付けております。LINE登録で、更新情報もゲット!

CTR IMG