あなたの思っている「まっすぐ」の姿勢は本当に真っ直ぐか?

人は誰しも様々なモノに対して「真っ直ぐ」という印象やイメージ、感覚を持っていますが、あなたが感じている「真っ直ぐ」は本当に真っ直ぐなのでしょうか?

今回の記事では、『姿勢』や『身体の使い方』における真っ直ぐに対する理解を深めてみましょう!

そもそも真っ直ぐな状態とはどのようなものなのか?

辞書を引いてみると「まっすぐ」な状態とは、①少しも曲がることのないこと。またはそのさま。②寄り道などしないで、直接に目的に向かうこと。また、そのさま。③かくしだてのないさま。正直。と定義されています。

※デジタル大辞泉より

①少しも曲がることのないこと。またはそのさま。」は見た目の印象が強いかと思います。『自らの眼』で見えるものであればそれでも良いのですが、自らの姿勢や動きに関しては、鏡を見る以外にリアルタイムで眼で見て確認することができません。「鏡を見ているときは意識的に真っ直ぐにできるけれども、鏡を見ていないと自分自身の姿勢が真っ直ぐかどうかはわからない…」という方は実は非常に多いのです。

「鏡もしくは写真に写すことでしか自分自身の姿勢に気づくことができない」ということがどのような問題を孕(はら)んでいるのかを考えてみましょう。

なぜ真っ直ぐが崩れるのか?

そもそも日常的に常に目にすることができない自分自身の姿勢を、ヒトはどのようにして真っ直ぐに保とうとしているのでしょうか?

生まれてはじめて、立ち上がってから間もない子ども達は、動き自体は非常に拙いものの、本当に綺麗な真っ直ぐな姿勢で立ちます。

これを「姿勢が真っ直ぐな状態を生まれながらに知っている」「真っ直ぐにするという能力を持ち合わせている」と考えるよりも、「真っ直ぐにしていないと立っていられない」「効率よく骨を配列させ、安定して立てる状態が結果的に真っ直ぐだった」と考えるのが自然です。

姿勢の崩れが問題となって現れてくるのは幼児である場合は少なく、多くは小学生以降の子どもから大人です。

なぜ小学生以降に姿勢が崩れ始めるのか?

その大きな理由は、「学校教育や家庭学習で椅子に座り続ける時間が急に長くなる」ことが大きな原因と考えています。

保育園や幼稚園では常に駆け回り続けていたものが、小学生になった途端、急に椅子に座り続けることを強制されるのです。適切な座り方を身につけられていなければ、長時間座っていることで姿勢が崩れるのも無理はありません。

小学生以降、崩れやすい姿勢の特徴とは?

動き続けている中で、自分自身が最も動きやすいように、効率よく姿勢を保っていたものが、長時間の座位姿勢に疲労し、脱力しすぎてしまい、同時に背もたれにもたれることで背中が丸く崩れていきます。

子どもは自分自身の見た目の真っ直ぐを知りませんが、知らず知らずの内に真っ直ぐを保っていたのです。それが長時間同一姿勢を保持することによっていつの間にか崩れ、それを大人の声掛けによって「真っ直ぐ」に修正されるのです。どうすれば良いかわからない中、頼りになるのは「気をつけ!」と「背筋ピン!」です。このようにして背中への力感を頼りに良い姿勢を作ろうとするようになります。

見た目の姿勢に対する大人からの介入がない間、子どもが頼りにしていたものは「②寄り道などしないで、直接に目的に向かうこと。」。自分自身がやりたいことをやりやすいように動くことで自然と真っ直ぐを身につけていたのです。

子どもの姿勢も、大人の姿勢もこの状態から学ぶべきものが多くあります。

脳が認識している真っ直ぐは真っ直ぐではない。

そもそも、脳が認識している真っ直ぐと物理的な真っ直ぐとは一致しない場合がほとんどです。それは幼い子どもよりも大人、さらに高齢となるほどに顕著となります。

なぜそのような状態になるのかというと、『脳が認識している真っ直ぐ』とは『自分自身が慣れ親しんだ身体の状態』を真っ直ぐであると認識しているからに他なりません。そのため、『普段慣れ親しめていない真っ直ぐな姿勢』をとると、ほぼ全ての方は「自分の思っている真っ直ぐとは違う」と違和感を感じます。

重力に抵抗するときの姿勢の「真っ直ぐ」

重力に抵抗するときの真っ直ぐとは、

地中深く地球の中心に引き寄せられる『重力』と地表から受ける『床反力』の間で効率よく両者の力を相殺し合えている状態が、重力に抵抗して適切に姿勢を保ち続けるときに必要な状態です。

※足裏からは逆方向の力『床反力』があります。

この効率のよい姿勢をとるときに必要なのは「筋肉に力が入る感覚(力感)」ではなく、骨を適切に配列させられる「骨感覚」です。

頭頂・足裏から骨を適切に配列させる感覚を身につけるために、下の2つのアイテムが非常に役立ちます!

Laboo.

くるぶし下の踵でLaboo.を踏み、立つことによって、普段の立ち姿勢の中で適切な重心位置を身につけます。

ガンシナー

天に向かってすらっと伸び上がる姿勢を、頭頂の感覚を用いて作り上げます。頭の上に置いてガンシナーの上にある程度重さを感じるものを載せて利用します。

身体を動かすときの「真っ直ぐ」

身体を動かすときの真っ直ぐは、重力に対抗し姿勢を保っていた状態とは大きく異なってきます。
静止しているときの姿勢の真っ直ぐは、重力に抗して最適な骨の配列を作り上げるだけなのでその状態を規定することが比較的容易です。

しかし、動くとなると最適な状態とはどのようなものかを規定するのが非常に難しくなります。

例えば対象物に力を加えるという場面を想定してみましょう。

このときに必要なのは、地面の摩擦による反力のベクトルが、壁からの反力のベクトルと一致し、身体内部の関節を通過する力のベクトルが最大の効率となるような筋力が発揮できている状態です。

「身体内部の関節を通過する力のベクトルが最大の効率となる」

つまり『自らの身体内部で生み出される力と目的とする動作の運動方向とが一致するような骨の配列がなされ、最小限の筋出力で最大限のパワーを生み出せている状態』があらゆる動作の中での真っ直ぐとなり、このような状態が作り上げられていると自然とインナーマッスルも活性化されます。すると、がんばっている感覚(力感)は少ないにも関わらず強い力を発揮できているという状態となります。

身体内部には様々な筋肉がその力源として機能し、力源ごとに様々なベクトルが発生することとなります。動きの中では、筋肉がどのように作用するかは骨・関節の位置関係によって大きく左右されるため、『動作』というものに精通しているものでなければ、良し悪しを判断するのは容易ではありません。

適切な真っ直ぐを身につけるためには?

適切な真っ直ぐを身につけるのに最適なのは、外見的に姿勢や動きを修正する方法ではなく、『身体内部の感覚』として真っ直ぐな感覚を身につける方法です。

そのために必要なのが、重力感覚、筋肉の収縮感覚(力感・脱力感覚)、骨感覚などです。

感覚力を高めることによって、効率の良い姿勢や動きを身につけることができますよ。

そのような視点で、是非THE コツ™️ TRAININGのトレーニング内容をチェックしてみてください。

新しい運動感覚が自然と身につくはずですよ。

※動画を視聴するには、THE コツ™️ TOOLs オンラインショップからTHE コツ™️ TRAINING動画視聴チケットをご購入が必要となります。

THE コツ™️ TRAINING
堤 和也

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