ヨガ「木のポーズ」が上達する片脚立ちのコツ

ヨガをする中で、片脚立ちのアーサナがうまく行えずお困りではありませんか？

ひたすら頑張って反復練習をしてみたとしても、安定した片脚立ちに必要な要素が身につけられていなければ、徒労に終わるばかりか逆に身体を壊してしまうことにも繋がりかねません。特に外側に湾曲するような片脚立ちをしている場合、O脚を助長する可能性が高くなります。

今回の記事では身体への負担が少なく、楽に安定した片脚立ちが取れるようになるための考え方とそのコツをお伝えします。

力まかせに動きを止めてはいけない

本来２本足で立ち、姿勢を保っている私たちヒトが、片脚立ちでバランスを取ろうとすると、どうしてもフラフラと不安定となりがちです。

このフラフラとする動きを筋肉に強く力を入れて無理矢理止めようとすると、非常に力んだ身体となり筋肉や関節への負担が大きくなるだけでなく、身体が一つの塊のようになってしまい余計に不安定となります。また、その状態で止まっていられるようになったとしても、そこから次の動き、次のアーサナに移ろうとしたときに動きの余裕がないためバランスを崩してしまいやすいのです。

「揺らぎ」を受け入れる

ヒトは立ち止まっているときなど静止姿勢をとっているとき、見た目には動きが止まっているように見えますが実際には常に小さく揺れ動きながらバランスを取り続けています。

身体を固めて一塊となってしまっているとこの揺らぎを全身の関節で受け流すことができず、全体として大きな動きとなるためヤジロベエのようにフラフラとしているように見えてしまいます。

ヒトは全身に多数の関節がありその全てが可動するため、関節周辺の力が適切に抜けているとその関節で揺らぎを受け流し、結果的に微動だにしていないような片脚立ちができるようになります。ただし、単に脱力さえしていれば良いというものではなく、軸を保つために必要な筋肉には適切に力を入れることができる必要があります。

入れるべき部分の筋肉は適切に働かせ、そうでない部分の力は脱力できるようになる、それが片脚立ちの中でできるようになるコツが以下の4つです。

片脚立ちが上達する4つのコツ

①カカト重心

重心がつま先にあるとき、つまりつま先側で強く踏ん張り続けているとき、その多くはお腹・骨盤が前に出て、腰を反るような姿勢となっている場合がほとんどです。お腹・骨盤が前に出ると、腹部の深層筋である「腹横筋」「腸腰筋」を適切に働かせられず、安定した軸を保ちにくくなります。

つま先に体重が載ってはいけない訳ではありませんが、出来るだけ重心はカカト寄りに保ち、いつでも足指が自由に動かせる状態を基本としましょう。

※常に足指を地面から浮かせ続ける必要はありません。

②つむじを高く

つむじのあたりを常に高く保つように意識することで、力み少なく自然と背筋を伸ばすことが可能です。姿勢を良くしようと胸を張ったり、肩甲骨を寄せたり、背中に力感を感じないようにしましょう。

③上下に伸びる意識

上記の①②で「カカト」と「つむじ」を意識しましたが、そこからさらにこれらが上下に引っ張り合っているような意識を合わせて持つことができると、適度な緊張感を持たせたハリ・バネのある軸へと変化します。

またヒトの身体の構造的に、うまく片脚立ちが取れるようになると(前額面上で)骨盤が傾き、両脚立ちをしているときよりも背が高くなります。実際に背が高くなっているのかどうかは、鏡や、目線が高くなっていることで確認してみましょう。

※逆に背が低くなっていたり、目線が下がってしまっていると感じる場合は要注意です。うまく片脚立ちが取れていません。

④ヒザ・みぞおちの脱力

上下に伸ばそうと意識しすぎたり、身体を固くしてバランスを取ろうとしたりしてしまうと、膝(特に膝のお皿周辺・太もも前)と腰・背中に力感が出現しやすくなる場合があります。この力みをなくすために、膝はいつでも弾むことができる状態に力を抜いておき、みぞおちは指を突き刺して深く入り込んでいくような柔らかさを保ちましょう。

片脚立ちとは単に片脚を上げた状態ではなく、支え脚の軸が適度なハリを持って作り上げられた状態に、うまく体重を預けることでもう一方の脚の支えが必要なくなった状態と考えると安定した片脚立ちが取れるようになります。

手足を動かすのは最後

手足の動きは見た目に捉えやすいため、動きに慣れるまではその目に見える部分ばかりに意識が向きがちですが、まずは目に見えにくい体幹部分、特にみぞおち・骨盤の状態をしっかりと作り上げることが先決です。

上記の状態が作れて初めて手足をアーサナに合わせたポジションへ持っていきましょう。

この片脚立ちの取り方は以下の動画でご紹介しています。文章だけではなかなか理解しにくい場合は、是非一度動画で確認してみてください。

Single leg stance – 片脚立ち –

THE コツ™️ TRAINING
堤　和也