近年、家庭環境の欧米化により畳の部屋が少なくなり、フローリングに椅子やソファを置いて生活することが当たり前になってきている中で、日本人でも地べたにしゃがみ込むことが苦手な方が増えています。
上の記事では、日本古来からの様々な床坐の方法を紹介しています。
和式トイレでしゃがめない子どもが多いとも言われていますが、これも原因は同じです。
単に慣れていないだけという場合もありますが…
幼いころは問題なくしゃがみ込めていたのに、年齢を重ねるとともにしゃがみにくくなる…
この問題をどうすれば解決できるようになるのか?
今回は、上手にしゃがみ込むためポイントとそれを身につけるエクササイズをご紹介します。
しゃがめない原因は足首の硬さではない。
しゃがむことが苦手な場合、多くの方は足首の硬さを原因としてあげますが、原因はそれだけではありません。
もちろん足首が硬すぎるとしゃがみ込めない場合がありますが、そのほとんどは怪我の後遺症や疾患などによる影響がある場合です。日常的に問題なく生活できている、運動を行えるレベルでの足首の硬さは大きな問題ではありません。「柔らかければしゃがみやすい」という程度です。
足首の硬さでなければ、何が原因となっているのか?
その原因とは『股関節の硬さと使い方』です。
問題は股関節の硬さと使い方
なぜ股関節に原因があるのか?
下の写真を見てみましょう。
これはうまくしゃがめている場合です。
逆にしゃがみ込めない場合、このようになります。
何が違うのか?
それは、脚の付け根の開き具合です。
腸腰筋が重心を前方へ引き寄せる
股関節は、骨盤と大腿骨をつなぐ関節部分であり、
うまくしゃがみ込めたとき、股関節は深く折り畳まれ同時に大腿骨に骨盤を引き寄せるように働きます。
この働きが弱いと、骨盤を引き寄せることができず鼠径部(脚の付け根)が開いてしまいます。
鼠径部が開くと上半身の重心が後方へ残ってしまうため、全身の重心位置が踵寄りとなり、重心が踵よりも後方になった場合に倒れてしまうのです。
後方にある重心を前方へ引き寄せるのが股関節をつなぐ筋肉である『腸腰筋』です。
カカトが上がってしまうのは、①股関節の硬さ、②腸腰筋の筋力の弱さ、③腸腰筋の適切な働かせ方の未習得などにより、腸腰筋をはじめ股関節の働きが不要な状態に姿勢を変えようとするためです。(専門的には『代償動作』と呼びます。)
※決してカカトを上げてしゃがむことがいけないわけではありません。「カカトをつけたまましゃがむ」という動作の選択肢の幅を減らしてしまうことが、(若年者であれば)運動機能の発達を妨げる、(中高年者であれば)運動機能の退化を進めることにつながってしまう可能性があるということです。それは、腸腰筋を最大限に活かしきれていないということでもあります。
股関節の柔軟性高め、腸腰筋をしっかりと機能させることでしゃがみ込みは非常に行いやすくなります。
今回は、しゃがむ動きの中で『腸腰筋』を利かせられるようになるトレーニングのコツをご紹介していきましょう。
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THE コツ™️ TRAINING
堤 和也