腕の脱力が上達するコツとは?

野球のピッチング、テニスやバトミントンのなどラケットスポーツ、空手の突き、剣道などスポーツ競技の中で直接手を使う際、肩から先の腕の余計な力みは「動きが読まれる」「手先の微調整が利かない」「コントロールが乱れる」「力が上手く伝わらない」などダイレクトに競技パフォーマンスに影響します。

また直接手を使って競技する機会の少ないサッカーや陸上競技などでも間接的に脚の動きを妨げる要因にもなりうる上半身の力み。

今回の記事では上半身でも特に肩甲骨から先の腕の力みを取り除く方法腕の力を抜いたまま腕を動かす感覚を養う方法をご紹介します。

「余計な力み」はスポーツの敵

プロスポーツやオリンピック、その他様々な競技のトップレベル選手が集まる世界大会などを画面越しに見ていると、競技直前に身体を揺らしたり軽く飛び跳ねたりして力を抜こうとしている姿を目にすることが多いのではないでしょうか?

「身体の力み」は、パフォーマンスを最大限に発揮しようとしたときに邪魔をする原因となりうることが経験的にも知識としても理解されているからに他なりません。

精神的な緊張は身体をこわばらせ、動きを硬くしてしまいやすくなりますが、これに対して身体の硬さも精神的な緊張を引き起こしやすくなるという双方向性のあるものです。身体を緩めること、身体の力みを取り除くことは精神的な緊張をほぐすことにもつながるためよりパフォーマンスを高めやすくなります。

力みは運動を苦手にする。

運動が得意な人の動きを見ていると、「常に余裕がある」ようなイメージが湧いてきませんか?
逆に運動が苦手な人の動きを見ていると、「常に力一杯で余裕が少ない」イメージを持ちやすくなります。

それもそのはず、実際に動きの余白のなさがそのまま動作に現れ、見た目の印象にも繋がっているからです。運動が得意でない人の動きのクセは人によって様々ですが、運動が得意な人の動きはそのような癖が小さく整って見えます

※競技レベルが高い中での動きのバリエーションももちろん多様ですが、その基礎となる部分に高いパフォーマンスを発揮するために必要な身体づかいが潜んでおり、そこに共通点が見つけられます。

腕は重い

肩から指先までの重量は、個人や体格によっても異なりますが一般的に体重の約6〜10%に相当します。つまり体重60kgの人の場合、3.6〜6.0kgの重さがあるということ。実際に同じくらいのウェイトを手に持ってみるとわかりやすいですが、その重さを常に支えながら手・腕を使って様々な動作をおこなっているのです。

この腕の重みそのものは変わらなくとも重い感覚で扱うのか、軽い感覚で扱うのかはその腕の扱い方次第です。ではどうすれば腕は軽く扱えるのでしょうか?

体幹から腕を操る

宮本武蔵の書いた『五輪書』の中には愁猴の身という記述があります。

しうこうの身と云事。秋猴の身とは、手を出さぬ心也。敵へ入身に少しも手を出す心なく、敵打前、身をはやく入心也。手を出さんと思へば、必ず身の遠のくものなるに依て、惣身をはやくうつり入心也。手にて受合する程の間には、身も入やすきもの也。能々吟味すべし。

愁猴とは「腕の短い猿」のことです。この愁猴の身について「相手との間合い」を中心に考察されることが多いようなのですが、間合いという観点以外にも実際に自分自身の腕が短くなったように扱うということも示しているのではないかと思うのです。それは手を縮めて小さくなるという意味ではなく、「自分自身の腕が肘までしかないように思う」「肘から先がモノ(刀の一部)になったように扱う」という意味です。

腕の動きを上腕骨・肩甲骨・鎖骨・肋骨・背骨からなる体幹で作り出し、橈骨・尺骨から先は体幹の動きの流れに自然と従わせ最終的な微調整のみを行わせる

これにより動きが「中枢(体幹)→末梢(手先)」へと繋がり、手を出すよりも先に身を入れる(相手に接近する)ことができ、その上その身を入れる動きは刀を振る準備動作になってもいるため、入り身と同時に切ることができる…

このような動きは肘から先に余計な力みがあると実現することができません。この力みを取り除き、肘から先の部分をモノのように扱えるようになることで、体幹機能をフル活用した力強くも素早く繊細な手先の動きが可能となるのです。これができるようになったときの手は非常に軽く扱えるようになっています。

では、そんな手・腕の扱い方ができるようになるための腕の脱力エクササイズを2つご紹介します。

アームフォール

アームフォールは腕の『抜重』です。
腕の重みがどの程度のものか全身で感じ取りながら、脱力と同時にその重みを地面に向かって落としてみましょう。

※【Arm Fall – アームフォール – [Full ver.]】の動画視聴料は【無料】です。

アームスクリュー〈片手[多方向]・両手〉

肘から先の脱力を促し、体幹部分からの腕の操り方を身につけるトレーニングです。多方向に行います。

※【Arm Screw – アームスクリュー – [Full ver.]】の動画視聴料は【¥330(税込)】となります。

動画視聴をご希望の方は、THE コツ™️ TOOLs オンラインショップから¥330円分の動画視聴チケットをご購入ください。
ご記入くださったメールアドレスへ動画視聴可能なURLをお送りします。

※購入時、備考欄に必ず視聴をご希望の『動画タイトル』もしくは『記事タイトル』をご記入ください。

合わせて実施したいトレーニング

脱力が進めば、力を抜くだけでなく体幹・肩甲骨から適切に末端まで力を伝えられる状態を目指しましょう。この力を伝えるときに最適な力の通り道が腕の軸です。

「脱力」と「軸感」は、相反するものではなく共存してはじめてその力を発揮するものです。是非ともその両者を身につけて腕を扱いこなしてください。

THE コツ™️ TRAINING 
堤 和也

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