立甲がデメリットとなりかねない状況とは?

四つ這いになった状態で肩甲骨を背中から浮かび上がらせる「立甲」。立甲ができるようになることのメリットは非常に多く、様々なところで伝えられているようにも思いますが、この立甲が出来ることによって逆に競技能力が落ちてしまったという話を稀に耳にすることがあります。

この立甲には肩関節の負担を減らし肩甲骨からの大きな可動域で強いパワーを発揮できるようになるという大きなメリットがあるのですが、この扱い方を間違えるとメリットがデメリットになってしまう可能性を秘めているものでもあります。

今回の記事では、立甲を習得し扱いこなせるようになる上での注意点と、そのデメリットの克服方法をお伝えします。

立甲のメリットと習得方法

立甲そのものがどのようなものか、どのように習得すればよいのかは下記の記事で詳しく解説しておりますので、こちらをご参照ください。

常に肩甲骨を浮き立たせていれば良いわけではない

脇を上手く締めた状態をキープしながら腕に体重を乗せ、前鋸筋を除く肩甲骨周辺の筋肉の脱力が上達すると肩甲骨が背中から浮かび上がる状態(立甲)となるわけですが実際の動作の中では、このように肩甲骨を浮き立たせて扱う場面はそう多くありません。

手で何かを押す、手で身体を支える場面で、前鋸筋が上手く扱えると自然と肩甲骨が背中から浮かび上がって見えることがありますが、実際に力を加える場面で肩甲骨が浮かび上がりすぎると対象物に力がうまく伝えきれません。これは肋骨と肩甲骨の間での力の伝達が上手くいかなくなるためです。

立甲ができると「力が発揮しやすくなる」はずだったのに、なぜ逆のことが起こりうるのでしょうか?

立甲時の前鋸筋は「遠心性収縮」状態

肩甲骨から力を加えるとき、腕を肩甲骨から大きく動かすときに働く筋肉は「前鋸筋」という筋肉ですが、立甲をしているときの前鋸筋は遠心性収縮といって筋肉に力を入れながらもその筋肉が伸びている状態です。この遠心性収縮は衝撃を吸収する、受け流すといった場面で機能しやすい筋肉の収縮形態です。(※遠心性収縮はSSC[伸張反射]のトリガーにもなるのですが、SSCではその伸張スピードが鍵となります。)

例えば、側転、倒立など腕で全身の体重を支える場面で立甲のように肩甲骨が浮かび上がる状態になってしまうと、肩甲骨と肋骨の間の力の伝達が途絶え地面からの力を体幹に伝えられず、抜けるような感覚に陥ってしまう可能性があります。

しかし実際に対象物に力を加えるなどの場面で必要なのは遠心性収縮とは逆に筋肉に力を入れながら同時に筋肉も短くなる求心性収縮、もしくは筋肉の長さが変化しない等尺性収縮です。立甲で前鋸筋を遠心性収縮で扱えるようになれば、その状態から求心性収縮・等尺性収縮・SSCでも扱えるようになるためのトレーニングに取り組む必要があります。

実際の動作では前鋸筋以外も活躍する

また立甲をしているときには前鋸筋以外の肩甲骨と体幹を繋ぐ筋肉は脱力させますが、実際の動作の中で前鋸筋単独で肩甲骨を動かす場面はほぼありません。それでも立甲ができるようになるメリットがあるのは、脇を締めた状態で腕を扱えるようになるために欠くことのできない筋収縮の繋がりを強めることができるからです。立甲で力が入る部分を優位(メイン)に扱い、その上でその他の筋肉も目的とする動作に合わせて扱えることが必要なのです

立甲ができるようになれば万事OKなのではなく、立甲は脇を締めて腕を扱えるようになるためのスタートラインに立つためのトレーニングと位置付けて考えましょう。

そして、立甲そのものが習得できた後にやる立甲は、
・脇を締める感覚の再確認 と
・肩甲骨周囲のストレッチ
と心得て取り組むとよいでしょう。

それでは以下に遠心性収縮以外の収縮形態でも、前鋸筋を扱いこなすためのトレーニングをご紹介します。

柔らかくなり過ぎた肩甲骨を締め直すためのトレーニング

立甲腕立て伏せ

脇を締めた状態をキープしながら、前鋸筋を「求心性収縮」 ⇆ 「遠心性収縮」交互に働かせることで収縮形態を自在に操ることができるようになるためのトレーニングです。

※【Push-up with Standing scapula – 立甲腕立て伏せ – [Full ver.]】の動画視聴料は【¥220(税込)】となります。

動画視聴をご希望の方は、THE コツ™️ TOOLs オンラインショップから¥220円分の動画視聴チケットをご購入ください。
ご記入くださったメールアドレスへ動画視聴可能なURLをお送りします。

※購入時、備考欄に必ず視聴をご希望の『動画タイトル』もしくは『記事タイトル』をご記入ください。

Push the Ground

前鋸筋を瞬間的に求心性収縮(実際にはSSCを利用)させて跳ね上がり、着地と同時に遠心性収縮で受け止めるトレーニングです。

前鋸筋の収縮スピードを速めます

※【Push the Ground – 床プッシュ – [Full ver.]】の動画視聴料は【¥220(税込)】となります。

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フロッグ

前鋸筋を中心に脇を締めた状態で、上肢でバランスをとる感覚(重心操作)を養うトレーニングです。

壁押し

足裏から手のひらまでの力の伝達(軸感覚)を最適化させるためのトレーニングです。

カラダ Design Lab.®︎
代表 堤 和也

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