ランジトレーニングが上手く行えるようになるコツとは？

2022年5月20日
下肢
ランジ

様々なスポーツで必要なステップ動作の基本となる『ランジ動作』。

トレーニングとしてもお尻や太ももの筋肉を鍛える目的で広く用いられますが、ランジ動作はやり方一つで膝を痛めることにもつながりかねません。膝を痛めないために、ここでも重要となる『股関節』。

股関節をしっかりと機能させながら、深くランジ動作ができるようになるためのコツを身につけるためのトレーニング方法をご紹介します。

※ランジ動作とは、一歩大きく踏み込む動作のことです。

1 ランジ動作の種類とは？
2 ランジ動作で使いこなしたい重要筋肉4選
3 良いランジ動作、悪いランジ動作とは？
4 Lunge On The Ball -basic-

ランジ動作の種類とは？

ランジトレーニングにはいくつかの種類がありますが、ここではステップの方向で4種類に分けてご紹介します。

フォワードランジ

フォワードランジとは、前方へ踏み込む動作のことです。

バックランジ

バックランジとは、フォワードランジとは逆に後方へ踏み込む動作のことです。

サイドランジ

サイドランジとは、踏み込む脚と同じ方向へ踏み込む動作のことです。

クロスランジ

クロスランジとは、踏み込む方向と逆側の脚をクロスさせながら踏み込む動作のことです。

ランジ動作で使いこなしたい重要筋肉4選

ハムストリングス

ハムストリングスは、太もも裏の筋肉で股関節と膝関節をまたぐ筋肉です。アクセル筋とも呼ばれ、ランジ動作では、股関節を後方から支えると同時に膝の動きもコントロールします。このハムストリングスが上手く働かせられないと、反対側の太もも前にある大腿四頭筋（ブレーキ筋）に力が入りすぎてしまいます。

またハムストリングスはその位置関係から内側ハムストリングス（半腱様筋・半膜様筋）と外側ハムストリングス（大腿二頭筋長頭・短頭）に分けられます。ランジ動作で使いたいのは、『内側』のハムストリングスです。

臀筋群

臀筋群は、お尻の筋肉の総称であり深層外旋六筋と大･中･小臀筋からなります。股関節を後方から支える筋肉であり、ランジ動作では股関節を深く折りたたむ時の支えとなります。

腸腰筋

腸腰筋は、腰椎からはじまり骨盤・股関節をまたぎ、大腿骨の股関節近くにつながる筋肉です。ランジ動作では、ステップ脚に骨盤・下部体幹を引き寄せると同時に反対脚の支えとなります。腸腰筋はハイパフォーマンス筋とも呼ばれ、身体が上手く使いこなせているときには必ずといっていいほど働いている筋肉です。

腹横筋

肋骨下端から腰椎・骨盤まで腹部を左右に横切るように拡がっている筋肉です。上部体幹と下部体幹とをコルセットのように繋ぐだけでなく、力を伝達し、動きを連動させるために働きます。腹横筋が上手く働かせられないと、腰が反って力が上部体幹へ上手く伝えにくくなり、上部体幹が不安定になる一つの原因となります。

良いランジ動作、悪いランジ動作とは？

腰を反りすぎない。

Not good…

腰を反りすぎてしまうと、背筋に力が入りすぎ腰部への負担が大きくなるだけでなく、お腹に力が入りにくくなり、上部体幹と下部体幹とのつながりが弱くなります。上部体幹から上が後方へ残ってしまうような動きとなっている場合には注意が必要です。

つま先と膝の向きを一致させる。

Good!!

Not good…

つま先と膝の位置が一致していない場合、その多くが「つま先が外を向き、膝が内を向く（knee-in ,toe-out）」といった状態となります。

この状態ではハムストリングスの中でも外側ハムストリングスが過剰に収縮しやすく、膝が内に入ることで鵞足筋に負荷がかかります。この状態が続くと、膝の内側に痛みが出やすくなるだけでなく、扁平足や外反母趾も引き起こしやすくなるので注意が必要です。

ただし、この状態を修正するためにつま先と膝に意識を向け過ぎてはいけません。つま先と膝の向きがずれる原因は『骨盤・股関節が外側へ突き出てしまうこと』が大きな原因です。脚を地面に着くと同時に、坐骨をしっかりと後方へ引き、左右に崩れてしまう動きを後方への動きに変換させることでコントロールしましょう。

膝を前に出さない。

Not good…

膝が足首・つま先よりも前に出ると、太もも裏側のハムストリングスが上手く機能せず、前側の大腿四頭筋に力が入りやすくなります。すると膝への負担が増えるだけでなく、股関節が上手く働かせられなくなります。

Lunge On The Ball -basic-

バランスボールの反発力をうまく利用できると、適切なランジ動作に必須の『お尻を落とす感覚』を自然と身につけることができます。ボールが小さくなればなるほど、股関節を深く折りたたんでお尻を落とす必要がああり、同時に股関節への負荷もアップします。身体の柔軟性と負荷の大きさに合わせてボールのサイズは調整しましょう。