『バネのある動き』を身につけるために欠かせないつま先の使い方とは?

飛び跳ねる動きやステップが上手い人、走るのが速い人を見ていて感じる『躍動感』『バネ感』

この躍動感やバネ感を生み出すために必要な要素はたくさんありますが、その中でも欠かせないものの一つが「アキレス腱によるバネ(弾性)」です。

アキレス腱のバネ(弾性)を動作の中で引き出すためには、「前足部を適切に扱いこなせている」ということが非常に重要となるのですが、前足部を使いこなすとはどういうことなのか?

今回の記事では、アキレス腱のバネを使いこなすための基礎となる前足部の使い方をご紹介します。

バネのある動きとは?

縮めたバネがビヨーンと伸びるように、
伸ばしたバネがギュッと縮むように、

力が加わった方向とは逆方向に動く動作を言います。つまり『反動動作』のことです。

このバネのある反動動作に不可欠なのが『』の働き。

腱とは、ちょうど筋肉の両端にあり筋肉を骨につなぐ硬い紐のような部分のことを言います。筋肉の赤い部分(筋組織)にはそれ自体で随意的に縮むことができますが、白い部分(腱組織)は随意的に縮むことはできません。しかし、「外力によって」「受動的に」「勢いよく」引き伸ばされる力が加わると、その力を弾性エネルギーとして腱組織内に蓄積・保存させることができます。そしてこれを放出することで筋組織が縮む以上に大きな力を発揮することができ、躍動感のある動きとなるのです。

このように腱が勢いよく引き伸ばされるときには、同時に筋組織も引き伸ばされます。すると筋組織では引き伸ばされるのとほぼ同時に伸張反射という反射性の筋収縮が発生します。この筋収縮が腱をバネとして活かすために不可欠であり、これらの一連の流れをSSC[Stretch Shortening Cycle]と呼びます。

アキレス腱のバネとSSC

アキレス腱につながる筋肉は、腓腹筋とヒラメ筋であり、この2つの筋肉でふくらはぎの膨らみを作っています。

この2つの筋肉は、足関節を軸につま先を下方へ引き下げる働きがあります。立った状態であれば、つま先立ちをしたり、つま先で踏ん張り体重を支えるときに強く活動します。逆に踵(カカト)に体重が強く載っているときには、それほど強く活動しません

アキレス腱のバネを活かす『前足部』と『足趾』

前足部とは、足指(足趾)の付け根から足先までの部分を言います。

※写真で見えている足裏の部分が『前足部』です。

前足部をうまく使いこなすためには、足趾がパーをするように広がり、指が長く伸びた状態で体重を支えられることが重要です。この部分を『広い面』として地面を捉えるように使えると、アキレス腱のバネが機能しやすくなります。

逆に足趾でグーをするように握りしめていると、アキレス腱のバネが非常に機能しにくくなります。これには指を曲げる働きのある「長趾屈筋」「長母趾屈筋」がアキレス腱と同じように足関節後面を通過していること、足底筋膜が短縮すること、足部の剛性が低下することなどが影響しているのではないかと考えています。

足趾・足裏が硬い場合に取り組むべきストレッチ

前足部を使いこなすためには、足趾の柔軟性が必須です。

硬い場合は、下の動画の動作が楽に行えるくらいの柔軟性を身につけましょう。

足がベタベタとして動くのは、前足部が使えていない証拠

走る、跳ぶといった動きが苦手な子どもを見ていると、「ベタベタ」「ペタペタ」と足裏全体を面として使って動いている場面を目の当たりにします。足がベタベタと地面に着くということは着地のたびに踵を地面につけてしまっているということであり、このような場合ふくらはぎの力が抜けやすく、アキレス腱のバネを十分に活かすことが難しくなります

このような子どもたちは同時に、扁平足内股(膝が内に入ってつま先が外を向く)といった特徴を持ち合わせていることも多くみられ、蹲踞[そんきょ]姿勢を取らせてみると、ほとんどバランスが保てません。

※蹲踞でバランスを保てるようになるための足趾トレーニングは今後別の記事でご紹介します。

これは前足部を使いこなせていない、つまり足趾、足趾の付け根(MP関節)でのバランスの取り方を身につけられていないということです。このような場合、どれだけ走る練習、跳ぶ練習をしてもなかなか能力が身につかない、能力が高まらないといったことが起こります。

それはバネを利用して飛び跳ねるために必要な能力が欠落しているからであり、その欠落している部分を身につけないことには、全体としての動作の習得に至らないからです。

足がベタベタしてしまう場合には、まず蹲踞トレーニングなど前足部を使いこなすトレーニングにまずは取り組みましょう。

今回は、ある程度前足部が使いこなせているという前提で、アキレス腱のバネの活かし方を身につけるためのトレーニングをご紹介します。

Forefoot Stamp ー フォアフット叩きつけ ー

足部の剛性を高めながら、前足部(フォアフット)を地面に叩きつけ、地面からの反発力をうまくもらえたときの感覚と身体づかいを身につけるためのトレーニングです。

リズミカルに跳ねるように動けるようになると、自然と全身も跳ねるように動き始めます。

ラダーやハーキー、バウンディングなどのトレーニングが苦手な方は是非取り組んでみてください。

※【Forefoot Stamp [フォアフット叩きつけ] -Full ver.-】の動画視聴料は【¥220(税込)】となります。

動画視聴をご希望の方は、THE コツ™️ TOOLs オンラインショップから¥220円分の動画視聴チケットをご購入ください。
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堤 和也

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