足の『巻き爪』を改善させるための足趾ストレッチ

巻き爪が強くなり、歩いたり、動く際の痛みにお悩みではありませんか?

実は、巻き爪が身体の使い方と深く関係していることをご存知でしょうか?

今回の記事では、そもそもなぜ巻き爪が起こるのかを考え、『身体の使い方』という観点から巻き爪を改善させていくための考え方をお伝えします。

巻き爪とは?

本来平たい形状をしているはずの爪が曲率を増した状態のことをいいます。曲率が増すことで、爪の側面(側爪郭)が皮膚に強く食い込み、痛みなどの症状を引き起こします

爪の役割とは?爪は何のためにあるのか?

動物の場合であれば、爪は引き裂くため、引っ掛けるためなど様々ですが、人の場合その主な働きは指の先端でも特に「指の腹を使いやすくするため」です。

手指・足趾ともに先端の骨(末節骨)は爪の幅よりも狭く短く、末節部の途中までしかないため、指・趾の腹の先端部分に加わる力は、末節骨のない部分では爪が支えています

爪がないと指の先端部分に力を加えたくてもふにゃふにゃ曲がってしまい、指先に力を入れることができなくなってしまうのです。

巻き爪の発症メカニズムとは?

巻き爪が起こる原因として、爪に対する側方からの圧迫(先端の窮屈な履物や靴下など)が原因とも言われていますが、そもそも爪には本来巻く性質があると考えると良いようです。本来、爪が巻こうとする力に拮抗して手指・足趾の指の腹からかかる圧力で平らに保っているのです。

※塩之谷香:巻き爪と陥入爪.関節外科.40(1),2021

足趾の腹に圧がかからない最大の要因は『歩き方の癖』。歩行周期の中でも特にtoe off(つま先が離れる場面)に足趾がうまく使えていないと、指腹に圧が加わりません。

例えば、『浮指』(歩いているときにつま先が常に浮いているような状態)では、そもそも指の腹を地面につかないような歩き方のため指腹に圧がかかりません。また『クロートゥ』(指をつよく曲げている状態)では爪の先端が地面に突き刺さるような足趾の使い方となるので指の先端に圧はかかっても、指の腹には圧がかかりません。

巻き爪を予防するためには、指の腹から爪の底面に向けて広い面積で圧を加えることが必要であり、足趾を使う場面として最も多い日常的な歩く動作の中で指の腹をしっかりと機能させることが重要なのです。

そのような歩き方ができるようになるためにも、まずは簡単な運動で足趾を動かしてみましょう。

爪を機能させる足趾づかいができているかチェック!

まずは爪をしっかりと働かせられるような指の使い方ができているかチェックしてみましょう。

チェック①:足趾で『パー』がきれいに出来るかどうか?

母趾(親指)と小趾を内外に大きく開き、全ての指の間にしっかりと空間が作れるかどうかをチェックしましょう。

足趾の使い方として重要なのは、「グー」よりも『パー』です!

きれいなパーができるように、足趾グーパーのエクササイズを実施してみてください。

もしも外反母趾などをお持ちで指がうまく拡がらない場合は、指の可動域を拡げるところからはじめる必要があります。どこに行っても良くならない場合は、【カラダ Design Lab.】へご相談ください。

チェック②:つま先に体重を乗せたとき、指がどのような形状になるか?

つま先に体重をかけた場合に、上の左側のように指が曲がり、指で地面を掻くような状態(クロートゥ)であれば要注意です。この場合、足裏の筋肉がうまく働かず、指の腹も使いこなすことができません。

つま先に体重をかけるときには、右のように自然と指を長く広く使いこなせるような状態を目指しましょう

例えば、あらかじめ足趾をパーの状態にしておいてから、ヒールレイズ(かかと上げ)を行うことも有効です。

チェック③:正座から指を立てた姿勢が負担なく取れるかどうか?

正座から指を立てたこの姿勢は、足趾のストレッチになるだけでなく、このような姿勢を保ち続けることで足趾(特に足裏の筋肉)のトレーニングにもなります。身体軸を整える効果もありますのでチェック項目としても、基礎トレーニングの一つとしても非常におすすめです。(※以下の動画で方法をご紹介しております。)

踵坐系の姿勢は、足趾、足裏がうまく使えるようになるためのトレーニングに非常に適した姿勢のとり方です。

巻き爪を改善させるための簡単足趾ストレッチ

日常的に靴やスリッパを履いていたり、入浴時以外は常に靴下を履いているような生活様式で裸足になる機会が少ないと、足趾は硬くなりやすく、機能も低下しがちです。

足趾の『腹』を広く長く使いこなし、爪を足趾の裏から押し上げて丸くなった巻き爪を平くするための力を加えるためのストレッチに取り組みましょう。

【方法】まず正座をします。そのままお尻を持ち上げ、足趾を引き寄せます。足趾全体を地面に広く着くことができれば、持ち上げたお尻をそのまま踵の上に乗せ、体重をかけます。この一連の動きを繰り返してみたり、踵に乗った状態を10〜30秒ほどキープしてみたり、地べたで作業をする際などにこのような姿勢をとってみたりしてましょう。

巻き爪に対して、爪に変形を残すような外科的処置に頼るよりも前に、まずは上記のように自分自身の手指・足趾の使い方の癖に目を向けてみて、その癖の改善に取り組んでみてくださいね。

※すべての外科処置が変形を残す訳ではありません。下のストレッチや足趾をうまく使いこなすための運動に取り組んでも改善が見られない場合には専門医へご相談ください。

THE コツ™️ TRAINING
堤 和也

>あなたに必要なトレーニングを今ここに。

あなたに必要なトレーニングを今ここに。

THE コツ™ TRAININGのカテゴリーにご希望のトレーニングがない場合、リクエストを受け付けております。LINE登録で、更新情報もゲット!

CTR IMG