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足趾、前足部機能を高める『蹲踞ウォーク』

歩いたり、走ったり、スポーツで素早く動き回るために、『足趾(足指)』が非常に重要なのをご存知ですか?

最近では5本指ソックスや足袋ソックスが珍しくなくなり、以前に比べ足趾への注目は高まりつつあるものの、実際にどのように足趾を使いこなせば良いのかという点については、まだまだ十分に理解されているとは言えない状況です。

特にスポーツではほとんどの場合、靴を履くため足趾がどうなっているのかが目に見えず、そこに課題があったとしても目立ちにくい、見つけにくいという問題もあります。

今回の記事では、足趾がどのような役割を果たしているのか、そして足趾の付け根までを含めた『前足部』が地面との接点としてどのように重要なのかを学びながら、その機能を高める基礎エクササイズ『蹲踞ウォーク』をご紹介したいと思います。

足趾の機能とは?

そもそも足趾が何のためにあるか考えてみたことはありますか?

足趾を深く曲げる動作は、手でいう何かをつかむ、つかまえる動作と同じです。このような動きは実際の足の動作では比較的稀な動きですね。この動きは足の「外在筋」(後述)によって生み出される動きです。

足趾を伸ばしたまま指の腹で地面に圧をかける動作が足趾としては最も使用頻度が高く、このような使い方は身体を支えるために多用されます。この動きは足の「内在筋」(後述)によって生み出される動きです。

このとき足の5本指は、重心位置に合わせて足裏と一緒に体重を支えるサポートをするだけでなく、進行方向への推進力を生み出すために働きます。

足を硬く強くする『Windlass(ウィンドラス)機構』

足趾のMP関節(中足趾節関節)が深く曲がると足裏にある「足底腱膜」が引き伸ばされ、足部の剛性が高められる足の機能のことを『Windlass(ウィンドラス)機構』といいます。

歩くときには、特に後ろ足が地面から離れる直前にこの機能が働くことで地面からの反力を足部が受け取り、アキレス腱のバネと一緒に推進力に変えます。

歩く以外にも走るなどスポーツ動作では、つま先で地面を強く蹴って動く必要があり、この瞬間には体重以上の負荷がかかります。このときに足の形状が崩れてしまうと、動きにバネ感がなくなり、地面に足が吸い付いて離れないようなベタベタした動きとなってしまいます。

足の形状が崩れる足とは、すなわち足部の剛性が低い状態(足が柔らかすぎる状態)であり空気の抜けたボールのような足です。地面にボールを叩きつけてもその力を全て吸収してしまうような全く反発力が無い足は、推進力を生み出すことができません。

ウィンドラス機構が適切に機能する足は、空気をパンパンに詰めたボールになった足だと理解すると良いでしょう。足部の剛性が高められ、地面に対する反発力が強まり、地面に叩きつけられた足は自然と地面に対して跳ね返り『バネのある足』となるのです。

衝撃を吸収する『トラス機構』

『トラス機構』とは、足部に体重が乗ったとき足底腱膜が足のアーチ構造を保って衝撃を吸収する働きのことです。

足部に体重が乗ったとき、上の3つのアーチが拡がる(踵骨と中足骨頭が離れる)ような負荷がかかります。このときにアーチが崩れないように保つのが足底腱膜のトラス機構としての働きです。このトラス機構がうまく機能せず、アーチが崩れてしまうのが扁平足の状態です。

この2つの機能が足部にとって非常に重要なわけですが、どうすればこの能力を高められるのでしょうか?

足の『内在筋』と『外在筋』

足の裏だけにある筋肉を足の『内在筋』、足首より上から足裏につながる筋肉を足の『外在筋』と呼びます。

上記のウィンドラス機構、トラス機構ともに、適切に足底腱膜を機能させられるようになるためには、足底腱膜と強くつながっている短趾屈筋、母趾外転筋、小趾外転筋の3筋と合わせて、底側骨間筋、背側骨間筋、虫様筋、母趾内転筋、短母趾屈筋、短小趾屈筋、足底方形筋、短趾伸筋が適切に働かせられるようになることが必要です。これらは全て足の『内在筋』です。

足部をうまく使いこなすためには、これら足の『内在筋』が使いこなせていることが大前提として必要です。

では足の内在筋ではなく『外在筋』が強く働きすぎるとどうなるのか?

外在筋は足趾を曲げる働きがあるため、足趾に体重がかかったときに地面に対して爪が刺さるような状態となり、爪が傷みやすくなります。また外在筋が優位になっていると、相対的に内在筋が機能しにくくなるため足のアーチが崩れやすく、扁平足を助長するだけでなく、同時に外反母趾も引き起こしやすくなってしまいます

加えて、アキレス腱にうまくテンションがかけにくくなるため、バネ感も弱くなります。

※足趾を曲げる長趾屈筋、長母趾屈筋はともに足首を介して、ふくらはぎの骨につながります。ステップをするとき等、地面からの反力・推進力を得て移動したい場合にこの2つの筋肉が過剰に働くと、アキレス腱で受け止められる張力が減少し、バネ感が減るものと考えています。

足趾が使えると『足』が強くなる

足趾がうまく使いこなせるということは、足の内在筋を優位に働かせることでウィンドラス機構、トラス機構ともに適切に働くということであり、それはつまり衝撃吸収能力に長けて、同時に地面からの反発力も強く得られる万能な足になるということです。

足部が強くなるメリットとしてさらに、アキレス腱のバネも上手く使いこなせるようになるという点が挙げられます。細かく、素早く、力強くステップを踏むようなスポーツでは欠かすことのできない能力ですね。

ここまで長々と足部機能について説明してきましたが、それだけ『足』というところが重要だということがご理解頂ければ幸いです。

それでは上記の機能を高めるためにまず取り組むべき基礎トレーニング『蹲踞ウォーク』をご紹介しましょう。

蹲踞ウォーク

蹲踞(そんきょ)ウォークとは、言葉の通り『蹲踞』の姿勢のまま『歩く』エクササイズです。
カカトと前足部を全身と連動させてうまく使いこなすことで、足趾を中心とした前足部機能を高めることができます。

※ 【SONKYO Walk [蹲踞ウォーク]- Full ver. -】の動画視聴料は【¥330(税込)】となります。

動画視聴をご希望の方は、THE コツ™️ TOOLs オンラインショップから¥330分の動画視聴チケットをご購入ください。
ご記入くださったメールアドレスへ動画視聴可能なURLをお送りします。

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堤 和也

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