逆上がりができるための「必須能力」とその「獲得方法」とは?

日本では、体育の授業で当たり前のように習得が求められる鉄棒の「前まわり」「逆上がり」

そんな中、お子様が学校で逆上がりができないとお悩みではありませんか?

この「前まわり」と「逆上がり」ですが、様々な運動に必要な体幹機能も同時に身につけられるので、この機会に是非とも身につけておきたいもの。

しかし、できない子はどれだけ鉄棒を練習してもなかなかできないことも多く、親としてはもどかしく、なんとかできるようにしてあげたい気持ちになりますよね。

鉄棒ができるようになるためには絶対に不可欠な能力があり、その能力が欠けていると鉄棒運動の習得が大きく遅れやすくなります。では、その能力とはいったい何なのか?

今回は、『前まわり』、『逆上がり』それぞれができない原因を見極めながら、できるようになるための必須能力と動きのコツや、体幹部分を使いこなせるようになるための親子での遊び方、トレーニングの方法をお伝えします。

鉄棒で使いこなすべき3つの部位

鉄棒運動ができるようになるために使えないといけないカラダの部位は、

『脇・肘』
『みぞおち』
『股関節』

の3つ、いわゆる体幹です。

鉄棒をする中でのそれぞれの役割は、

①脇・肘 : 腕を引く/押す力を体幹(主に肋骨)に伝える

②鳩尾[みぞおち] : 肋骨へ骨盤を引き寄せる

③股関節 : 骨盤へ脚を引き寄せる

これらの能力が中心となって前回り・逆上がりの動きができるようになるのです。

そしてうまくいかない失敗パターンの内のほとんどが、①〜③のいずれかの能力が欠けていることが原因であり、お子様にどの要素が欠けているのかがわかると対処しやすくなります。

地面を蹴って勢いをつけることによって逆上がりがしやすくなりますが、それは①〜③の能力があるからこそのもの。世間には「逆上がりのコツ」と題したものがたくさんありますが、闇雲に動きのコツだけを求めず、動ける身体を土台からしっかりと身につけていきましょう。

前まわりができない2つの原因

「前まわり」では、まず鉄棒の上に両手で支えてのることが必要であり、それさえ出来ればあとは脚の付け根を中心に回ることで前まわりの完成です。

この前まわりがうまくできない原因は、以下の2つ。

①脇・肘系 → 肩が上がる、脇が開く

少し高めの鉄棒で前まわりを行うには、まず鉄棒の上に両手で支えて伸び上がるように身体を持ち上げる必要があります。これができないと、そもそも前まわりができません。

③股関節系 → 付け根に回転軸を作れない

例えば、「前まわりをするとお腹が痛い」というものは、股関節を支点にできておらず、腹部を支点に回ろうとするために起こる現象です。ただしこれは、①の脇•肘がうまく使えていないことによって、股関節を軸にできるところまで身体が持ち上がっていない可能性もあります。

逆上がりができない3つの原因

逆上がり」では、まずぶら下がった状態から①脇の力で身体を引き込み、その脇をベースに②みぞおちから骨盤、脚を鉄棒に向かってさらに引き寄せていくことで、両脚の付け根を鉄棒に当てます。そして③股関節を回転軸に背面方向に回ることが出来れば逆上がりの完成です。

この逆上がりがうまくできない原因は、大きく分けて以下の3つです。

①脇・肘系 → 肩が上がる、脇が開く、腕が伸び切る

逆上がりの出だしでは、腕を畳み肩甲骨を介して肋骨部分を鉄棒に引き寄せる力を入れることが必要です「脇•肘」に力が入れられないと腕が伸び切ってしまうため肋骨部分を鉄棒に近づけることができません。すると鉄棒から体幹が遠く離れたところから回るようなかたちとなり、逆上がりができません。

②鳩尾系 → 骨盤が鉄棒に近づいていかない

①の「脇」を締めて腕に肋骨部分を引き寄せられれば、次に腹筋を働かせて肋骨部分に骨盤を引き寄せてくる必要があります。骨盤が引き寄せられないと、③の脚を畳むことが出来ていたとしても回転軸となる股関節が鉄棒から遠い状態のままとなり、逆上がりができません。

③股関節系 → 足が遠い、付け根に回転軸を作れない

①②で肋骨部分から骨盤までを鉄棒に引き寄せられれば、最後に脚の付け根を鉄棒に押し付けて脚を折り畳み、股関節に回転軸を作る必要があります。このとき、脚の付け根(股関節)が開き、足が伸び切ってしまっていると股関節部分を鉄棒に引っ掛けることができず、回転の軸が完成しないため、逆上がりができません。

逆上がりができない場合に、上記①〜③のどれか一つに必ずどれかに当てはまるというわけではなく、複合的な要因となっている場合がほとんどですが、どの要素が最も苦手そうなのかわかるだけでも取り組むべき方向性が見えやすくなります。

前まわりができるようになるコツ2選

Swallow (ツバメ)

両手を着いたら、首を長くすると同時に全身を持ち上げましょう。その状態をキープしてみたり、全身を上げ下げしたりを繰り返してみましょう。

これは特に鉄棒で行う必要はなく、テーブルや椅子、台などやりやすい環境でできればOKです。

Hanging at the hip(ふとん干し)

鉄棒に脚の付け根(股関節)を引っ掛けてぶら下がり、そのままゆらゆらと揺れてみましょう。股関節を支点に回転の軸をつくる感覚を養います。

逆上がりができるようになるコツ4選

Pull the towel(タオル引き)

タオルを引っ張り合うことで、「肘を介して脇を締める」感覚を養います。このとき肩が上がって、首が短くなってしまうと、脇•肘にうまく力が入りませんので、必ず肩と耳の間のスペースは広く保った状態をキープして行いましょう。

Tarzan(ターザン)

ターザンやお猿さんのように手にぶら下がって移動してみましょう。このとき肘とお腹、脚を伸ばし切ってしまってはいけません。肘を曲げ、脇を締め、両脚を胸に引き寄せるようにぶら下がりましょう。

Pullover with parent(親子逆上がり)

よくある親子遊びの一つです。まず最初は、足を親の身体に引っ掛けるようにして登り、そのままくるっと逆上がりをします。慣れてこれば、足で登る動作を使わず、両手を引き上げるタイミングを親子で合わせて、飛び上がると同時にそのままくるっと回ってみましょう。

手の握り方としては、親の親指を子どもに掴ませて子の手の甲側から親の手のひらで大きく包み込んであげるとやりやすいですよ。

Rolling with a stick(棒を利用した前•後転)

両脚の付け根に棒を挟んで、そのまま前後に転がってみましょう。棒が外れないようにまわることで、股関節を締める能力の基礎とみぞおち(腹筋)との繋がりを強化します。

※【Rolling with a stick[棒を利用した前•後転] -Full ver.-】の動画視聴料は【¥110(税込)】となります。

動画視聴をご希望の方は、THE コツ™️ TOOLs オンラインショップから¥110円分の動画視聴チケットをご購入ください。
ご記入くださったメールアドレスへ動画視聴可能なURLをお送りします。

今回ご紹介したトレーニングは主に幼児から小学校低学年のお子様向けです。
小さなお子様としかできないものもたくさんありますが、小学校高学年以上であっても必要な能力は同じです。小学校高学年以上の場合は「雲梯(うんてい)」「登り棒」「ジャングルジム」遊びなどを通して、『しがみつく』『ぶら下がる』『よじ登る』動作を身につけましょう。

遊びながら自然と『脇•肘』をはじめとした体幹が使えるようになり、逆上がりの習得が早まりますよ。
是非お試しください。

THE コツ™️ TRAINING
堤 和也

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