スローイングやテニスのサーブ・スマッシュ、バレーのサーブ・スパイクなどがもっと上手くなりたいと、腹筋トレーニングに取り組んでいませんか?
寝た状態から身体を起こす腹筋運動(クランチ)はトレーニングとしてよく用いられますが、オーバヘッドスポーツの上達に必要な『背骨のしなり」をうまく使いこなせるようになるためには少し工夫が必要です。
今回の記事では、スローイング・サーブ・スマッシュ・スパイクに必要な背骨の柔軟性を引き出し、同時にトレーニングにもなる方法をご紹介します。
スローイング・サーブ・スマッシュ・スパイクはどのような運動構造なのか?
この4つの動きにすべて共通するのは、『背骨のしなり』を大きく利用するということ。
それはつまり、背中を反らせて体幹前面の筋肉を大きく引き伸ばした後の強い筋収縮(SSC:Stretch Shortening Cycle )で体幹前面を縮め、そこで発揮されたパワーを腕を介して手やラケットに伝える動作であるということです。
この動きが十分に行えていないと、「手打ち」と呼ばれるような打ち方となり、肩や肘を傷める原因となったり、力強く打っているつもりでもパワーが乗らなくなったりしてしまいます。そうならないためにも腕の動きに体幹が自然と連動する身体を作り上げる必要があります。
腕と体幹の連動性を高める
上記の動作で体幹部分で最も力を発揮するのはもちろん腹筋群ですが、これを腕に効率良く伝えるためには肩甲骨から肋骨につながる筋肉である『前鋸筋』の活動が不可欠です。
前鋸筋は外腹斜筋との繋がりが強く、肩甲骨を引き出すだけでなく腹筋の働きも補助してくれます。腹筋運動をするときに、前鋸筋も合わせて使えるようになることで、実際の競技動作に活きる腹筋トレーニングが行えるようになるのです。
前鋸筋を使いこなすポイントは『肘』
肘といっても単に肘の曲げ伸ばしをするのではありません。肘の先端の尖った骨(肘頭)を動かすのです。
肘の先端の骨は前腕にある尺骨の一部ですが、この骨の動きや向きは肩関節だけでなく肩甲骨の動きにも密接に関連しています。
この肘頭が
・どのような向きで、
・どのような位置にあり、
・どのような力のベクトルが働いているのか、
が理解できると腕の操作性は大きく向上します。
例えば『肘』が肩に近い位置で動いているときは、肩が上がりやすく、このような状態では前鋸筋は機能せず、腕と体幹のつながりが非常に弱くなります。腕を腕だけで動かしているような状態です。
逆に『肘』が肩から遠い位置で動いている時には、必然的に肩甲骨が引き出され、この肩甲骨を引き出すために前鋸筋がしっかりと働きます。すると肩が下がり首が長く見えるようになるだけでなく、腕と体幹のつながりが強くなり、体幹から腕をとして扱えるようになるのです。動きの大きさ(可動域)だけでなく同時に発揮できるパワーも大きくなります。
そんな上半身の連動性と柔軟性を同時に高められる腹筋運動をご紹介しましょう。
Crunch on the balance ball
バランスボールの球形と弾力をうまく利用し競技動作に近い動きで行います。
背骨が硬いと少しやりにくいとは思いますが、柔軟性を高めるストレッチと合わせて取り組みながら実施してみてください。
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THE コツ™️ TRAINING
堤 和也