(※1つの画像を使い回しているので矢状断面のズレがありますがご了承ください。)
関節内視鏡による侵襲(A,B)

関節内視鏡は、【皮膚(皮下脂肪)】を切開後、【外側(内側)膝蓋支帯】、【膝蓋下脂肪体】、【膝関節包】を貫通し関節内に進入します。
※膝蓋支帯:膝蓋骨を正しい位置に保ち、滑らかな関節運動をサポートするための繊維性の構造物。
※膝蓋下脂肪体:脂肪組織の塊で、膝関節にかかる圧力を吸収、関節構造に対する衝撃を緩和し、滑らかな関節運動をサポートする。関節液の分泌を促進する役割も果たす。
※膝関節包:膝関節を包み込むように覆っている結合組織の袋状の構造物。
移植腱採取と脛骨骨孔作製による侵襲(C)

膝下内側にある鵞足という部分につく筋肉であるSTG(半腱様筋、薄筋)を再建靱帯の材料として採取し、作製した移植靭帯(腱)を骨内に通すための骨孔(筒状の穴)を作製するための傷です。
ガイドワイヤーによる侵襲(D)

ガイドワイヤーは、関節内から膝蓋骨の上外側に向かって【大腿骨】を貫通後、【脂肪体】、【膝関節筋】、【膝蓋上嚢】、【外側広筋】、【皮膚(皮下脂肪)】を貫通し体外まで出てきます。
※膝蓋上嚢:膝関節包と繋がる滑液包。膝の屈曲運動に伴って動き、伸展時には2層の膜が1層になることで、膝関節(特に膝蓋骨)のスムーズな動きをサポートしている。
AからDまでのこれらの術創が名称のついている各層各組織で個別に修復されると良いのですが、実際には周辺組織を巻き込みながら治癒していきます。この本来くっつくべきでない部分がくっついてしまい組織間の滑走性を失わせてしまっているものが『創傷治癒過程における癒着』です。また術後の腫れ(浮腫み・浮腫)や内出血(血腫)も傷の治癒過程とは別の二次的癒着を生じさせます。この癒着が術後のリハビリで十分に取り除かれず、痛みの原因として残存するケースが多々あるのです。
ではどのような痛みの場合に、どの部分の癒着が関係しているのかを個別に考えていきましょう。