歩き方・走り方・姿勢づくり…
どんな動きにも深く関わるのが ハムストリングス(太もも裏) 。
このハムストリングスは、動きを微調整し、下半身をコントロールする“手綱”の役割 を持っているため、動きの上達という観点から考えると、ただ単に筋力アップのために「鍛えれてさえいればいい筋肉」ではありません。

今回の記事では、ハムストリングスを“馬の手綱”として理解し、自在に扱うためのトレーニング方法をご紹介します。
ハムストリングスは「手綱」のようなコントロール筋
馬を操るとき、左右の手綱を使って顔の向きを変え進行方向を調整しますよね。

人体でその役割を担うのが ハムストリングス。

歩行やランニング、スクワットなどその他下半身を扱う運動全てにおいて“「膝」という脚の顔の向き”を微細にコントロールしています。
つまりハムストリングスは、下半身の軌道を制御する“精密な操作装置” といえるのです。
“内”へ引く手綱
内側に位置する
・半腱様筋
・半膜様筋
+ 薄筋・縫工筋
これらは、スネの骨を内に捻るように引き込む働きがあります。

内側ハムストリングスが正しく働くことで、膝関節の内側ラインを支える手綱”として機能します。
“外“へ引く手綱
・大腿二頭筋
+ 大腿筋膜張筋
は、スネの骨を外に捻るように引き込む働きがあります。

外側ハムストリングスは、膝の外側ラインを支え、軌道が外に逃げすぎないように調整する手綱 となります。
左右の“手綱バランス”が膝の最適ポジションを作る
内側・外側のハムストリングスが左右の手綱のようにお互いの張力を調整し合いながら、膝を “ちょうど良い位置” に保ちます。
この「ちょうど良さ」こそが、
・スムーズな歩行
・効率の良いランニング
・ケガを防ぐポジション
・関節へのストレスが少ない姿勢
・下半身の連動性の高さ
を生み出します。
内側・外側ハムストリングスのバランスが崩れるとこの両方の筋肉に過剰な負担を強いるような膝の位置になってしまいます。
| 内側 ハムストリングス | 外側 ハムストリングス | |
| 膝が内に入る (ニーイン) | 遠心性収縮による 過剰な筋活動 | 求心性収縮による 過剰な筋活動 |
| 膝が外に出る (ニーアウト) | 求心性収縮による 過剰な筋活動 | 遠心性収縮による 過剰な筋活動 |
膝の向きがつま先の方向から外れると、この『膝の最適ポジション』から逸脱し、内外どちらの方向でもすべてのハムストリングスに過剰な負担が発生するような状態となり、痛みや怪我を引き起こす原因となってしまいます。
このような状況から抜け出すには、ハムストリングスを鍛えるだけでは不十分で、どうコントロールするか が動作の質を決めるのです。
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