足の裏は立っているときに、地面と接する唯一の場所。

足の裏のどこに体重が乗るのかは、足部に対する身体の「重心位置」や移動しようとするときに地面に加える「力のベクトルの方向」で多様に変化します。

その変化に対応して動くためには、足のどの部分でもしっかりと身体を支えて地面に対して力を伝えられる能力が必要です。
今回の記事では、足の内から外にかけて重心をコントロールする2つの筋肉に焦点を当てて、これらを扱いこなす基本となるトレーニングの方法をご紹介します。
足の内外の重心を支える『後脛骨筋』と『長腓骨筋』
この2つの筋肉はどちらもふくらはぎから足裏に繋がる筋肉で、「後脛骨筋」は脛骨から小趾球へ向けて、「長腓骨筋」は腓骨から母趾球へ向けてつながっています。


解剖学的、運動学的には後脛骨筋は内がえし[内反](足の裏を内に向ける)、長腓骨筋は外がえし[外反](足の裏を外に向ける)の働きがあります。

しかし実際の動作の中で足が宙に浮いた状態で足裏の向きを変えるような動きをコントロールするのは足を地面に着くとき、地面から持ち上げるときに微調整する程度で、どちらかと言えば主に足裏を地面について体重を支えているときにより強く活動しています。親指側で体重を支えているときには「長腓骨筋」が、小指側で体重を支えているときには「後脛骨筋」が働くことで足の親指側から小指側までの重心のコントロールを担っています。


特にスポーツ競技動作のように強く大きな負荷のかかるような場面において両筋が適切に機能している場合、母趾球・小趾球で地面に力を加え、その反力を受け止め次の動作に利用することで、多様な方向への力強く素早い動作が可能となります。しかし適切に機能していないと地面にうまく力を加えることができないことで瞬発的に素早く動くステップが苦手となったり、足首がグラグラしやすく、捻挫の原因となったりするのです。
このような長腓骨筋と後脛骨筋の働きを『クロスサポートメカニズム』と呼びます。
クロスサポートメカニズム
クロスサポートメカニズムとは、動作時に足部を安定化させるために後脛骨筋と長腓骨筋が協調して働くシステムであり、足裏で「交叉(クロス)」するこの2つの筋肉が母趾球・小趾球への荷重負荷をコントロールしています。
また、それぞれ内くるぶし下(後脛骨筋)、外くるぶし下(長腓骨筋)を通る解剖学的な構造から、くるぶし下から足首を締め上げるようにも機能することで足首を安定化させるためにも重要な働きをしています。

足のアーチ形成にも超重要
足裏でクロスし、前足部をカカト方向に引き寄せる働きのあるこの長腓骨筋と後脛骨筋は足裏の縦アーチ・横アーチを形成する働きも担っています。
このアーチが適切に形成されることで足部の剛性が高まり、力強く地面に力を加えられる足になるのです。



逆にアーチが低く扁平足な足は、長腓骨筋と後脛骨筋が適切に機能していないことで足首が不安定となり捻挫しやすいだけでなく、前足部に適切に力を込めることができないことでバネのある素早い動きが苦手となってしまいやすいのです。空気の抜けたボールのような足の上で動いているような状態なので、実際の動作でも動きが鈍く見えてしまいます。

ここまでで後脛骨筋と長腓骨筋が動きの中で協調して働くことがいかに重要かが理解できたところで、これらを強化するために最適のトレーニングをご紹介しましょう。
Cross Step Walk ー クロスステップウォーク ー
長腓骨筋と後脛骨筋の働きをシームレスに切り替えながら動くことで、クロスサポートメカニズムを強化し、地面に対して力強く力を加えられる足部・足首を作り上げます。


※【Cross Step Walk ー クロスステップウォーク ー [Full ver.]】の動画視聴料は【¥330(税込)】となります。
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足趾が上手く使えてこそ
足趾が使いこなせることと、クロスサポートメカニズムが機能することはちょうど強靭な前足部を作り上げる車の両輪のような存在です。
足趾が上手く使えている自信がない場合は、以下のトレーニングにも合わせて取り組み強い足を作り上げましょう。
カラダ Design Lab.®︎
代表 堤 和也