ステップの切り返しが上手くなる「壁キック」

サッカーやバスケット、ハンドボール…その他様々なスポーツで必要な左右へのステップワーク。

フェイントをかけるとき、または逆にフェイントをかけられたときに素早く対応するためには、右から左、左から右への『切り返し』の動きで遅れないことが非常に重要です。

素早い切り返しのためには抜重などの重心操作も必要ですが、そもそも地面から身体重心へ向けた力の伝達を適切に行うことができなければ素早い抜重ステップも無意味となります。

今回の記事では地面を蹴って進行方向を変える動きが適切に行えるようになるための基本トレーニング『壁キック』をご紹介しましょう。

地面と身体重心を繋ぐ

地面を蹴って身体を素早く移動させる場合、闇雲に地面を蹴っていても思った方向へは進めません。例えば右に移動したい場合に、上から真下に向かって地面を蹴っても、ただ脚が上に跳ねるだけで右方向への動きは生まれないというようなことですね。

脚で生み出した力が地面に衝突したときには、その力のベクトルと真逆のベクトルの力が生まれます(※接する面には高い摩擦係数が必要)。これを反力(床反力)といいます。

この反力を得て、反力のベクトルの指す方向へ身体が動くのですが、この反力を身体重心で適切に受け止めることができないと力が逃げてしまい、得た反力分の動きが生まれなくなります。例えば、地面を蹴った力が脚の関節で吸収され消えてしまえば骨盤に伝わらず、股関節・骨盤・体幹で吸収され消えてしまえば上半身には伝わらなくなり、身体を移動させる力が弱まるということです。結果的に移動距離が短くなるだけでなく、移動スピードも低下します。

またどれだけ身体が力を十分に伝えられる準備ができていたとしても、地面を蹴った力の反力が身体重心の方向を向いていなければ、どれだけ上手く力を伝えられていたとしても、そもそも進みたい方向と異なる方向を向いた反力は進行方向への移動には無意味です。

地面を蹴った力を進行方向に、100%に限りなく近い状態で身体重心に伝えてこそ、切り返しの動きに最大限役立つのです。

重心を捉えて遠くへ跳ぶ

地面を蹴って動く場合、その動きが上手くできているのかどうか自分自身ではなかなか判断が難しいもの。地面は斜面でもない限りほぼ重力方向と垂直にあるため、地面を蹴った力は少なからず進行方向と異なる方向を向きます。そのため、上手く力が地面に伝えられているのか、上手く反力を身体重心で受け止められているのかは程度の差であり、正解が掴みにくいのです。

その反面、壁面は地面に垂直にあるため壁を蹴ることで得た反力をそのまま進行方向へ移動する力に変えやすくなります

壁を蹴る動きであれば、上手く重心を捉えて動くことが出来なければそのまますぐに真下に落ちてしまうか、壁から近いところまでしか跳ぶことができません上手くできたときには楽に壁から遠く離れたところへ跳ぶことができるようになり、壁から跳べた距離でその動きの良否の判断が可能となります。地面に線を引いて遊ぶようにして取り組むこともできます。

このように切り返しの動きが上手くできたときの感覚をつかみやすいのがこの『壁キック』なのです。

Wall Kick – 壁キック –

※【Wall Kick[壁キック] -Full ver.-】の動画視聴料は【無料】です。

つま先で壁を捉えて、一瞬のタメを感じながら、強く壁を蹴られる状態を目指しましょう。

何度繰り返してもなかなかうまくいかない場合は、『切り返し』をテーマにご紹介する他の運動にも是非取り組んでみてください。

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堤 和也

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