「身体を柔らかくしたい!」「怪我を予防したい!」「準備運動として。」
などストレッチを行う理由は様々です。
あなたがもし現在ストレッチに取り組んでいるのであれば、一度ご自身に問いかけてみていただきたいのですが、ストレッチをする目的に合わせた効果・結果が得られていますか?
もしも「YES」と言えないのであれば、そのストレッチは続けてもあまり意味がないかもしれません…
ストレッチを行う最大の目的は『筋肉に伸張刺激を与えて、筋肉に変化をもたらす』こと。要するに何らかのかたちで筋肉を伸ばすことで筋肉に良い変化を引き起こし、動きやすい状態を作りたいわけです。
ではどうすれば筋肉や動きに良い変化を起こすようなストレッチができるのか?
今回の記事では、その点を少し掘り下げたお話をします。
見よう見まねのストレッチは効果「薄」
ストレッチでよくあるのは、「ただ単に動かしているだけ」「動きを見たまま真似しているだけ」と言ったもの。そのようなストレッチをしていても、ストレッチの中で感じるべきものをしっかりと感じ取れていなければそのストレッチの効果は非常に薄くなってしまいます。
ただ動いているだけのストレッチから抜け出し、しっかりと効果のあるストレッチに取り組むためには、
・今からやるストレッチにはどのような目的があるのか?
・そのストレッチはどのような動きから成り立っているのか?
・ストレッチによってどのような感覚が得られていれば正解なのか?
をある程度理解できている必要があります。
同じようなストレッチでも目的に応じて動きが変わる
例えば伸脚と屈伸。いつでもどこでも運動前に必ず行なっている人を見かけますが、身体操作の観点から見た時に適切に行えている方はごく僅かです。
伸脚
伸脚といえば、下の写真のように片脚を伸ばすストレッチですね。
このストレッチはどこの筋肉を伸ばすための動きなのかご存知ですか?
多くの方がこのストレッチをやっている姿を見ていると、膝を上から押さえつけて膝の裏を伸ばすようにストレッチしていますが、このストレッチで本来伸ばすべき部分は『太もも裏』と『内もも』です。
上の写真を見た上で下の写真を見てみてください。
どちらが『太もも裏』と『内もも』を伸ばしているように見えますか?
正解はもちろん下の写真です。
上の写真と下の写真と何が違うのでしょうか?
是非考えてみてください。
屈伸
膝の屈伸などと言ったりもしますが、この動きも運動前によくやる光景を見かけますよね。
この屈伸運動もやり方一つで目的だけでなく、膝への負担を強くするのか、軽くするのか大きく変わります。ここでは3枚の写真を見てみましょう。
それぞれに膝を曲げた状態が異なりますね。
①膝の曲げ伸ばしに意識を置いた屈伸
②お尻の上げ下げに意識を置いた屈伸
③太もも裏に意識を置いた屈伸
上の写真のどれが①〜③のどれにあたるでしょうか?
カタチに到達するための動きを知らなくてはならない
ストレッチは写真などで見る「カタチ」を無理に作ろうとするのではなく、その「カタチに到達するためにどのように動けば良いのかを知ること」が非常に大切になります。
すると、ストレッチの目的が単にカタチを作る動きだけになってしまうものから、適切な部位の伸張感を適切な動きを通して引き出す身体操作トレーニングとなるのです。
(THE コツ™️ TRAINING で紹介しているストレッチはこの点を非常に重要視してお伝えしています。)
さてそのような視点で、先ほどの伸脚、屈伸を動画で見てみましょう。
伸脚 – Stretch One Leg –
3種の屈伸 – Bend Knees 3 types-
見た目の動きにそれほど大きな差は見てとれないかもしれませんが、この【意識の置き方】、【僅かな身体の動かし方】の違いで、ストレッチの効果は大きく変化するのです。
どれが良い、どれが正解という話ではなく、何を目的にストレッチをするのかによって最適な動き、正解の動きは変わるものです。
膝の屈伸では最終的に「膝を曲げている」状態になりますが、その状態に到達する動きが大きく異なります。単に膝の曲げ伸ばしをしたいだけなら①番目の動きに、膝の力を抜いて足首・踵・前足部を使いこなそうとすれば②番目の動きに、股関節を利かせて太もも裏をストレッチしようとすれば③番目の動きになるといった具合です。
感じるべきは標的部位の「伸張感」
ストレッチをして柔軟性を高めるにあたって「カラダのどの部分、どの筋肉をターゲットにしたいのか?」を明確にすることが大切です。そもそもストレッチの動きをしていても、ターゲットとする部位に伸張感が得られていなければ、そのストレッチに意味はありません。冒頭でも述べたようにストレッチの目的は『筋肉に伸張刺激を与えて、筋肉に変化をもたらす』こと。筋肉に伸張刺激を与えられているかどうかを、自分自身の感覚として知覚しないといけないのです。
ストレッチをさらに効果的なものにするために…
ストレッチをしているときに気をつけるべきことは、上記の通りですがストレッチをより効果的なものにするためにはストレッチの後にも気をつけるべきことがあります。
ストレッチの特性を知り、ストレッチ「しっぱなし」でその効果を落としてしまわないために下記の記事も是非参考にしてみてくださいね。
THE コツ™️ TRAINING
堤 和也